株式会社シーザートレーディング
TEL.042-480-2222 (営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12
AUTOMAKER | FORD MUSTANG |
MODEL | FAST BACK "ELEANOR" |
YEAR | 1967 |
EXTERIOR | PEPPERGLAY- METALIC (ペッパーグレー・メタリック) |
AMMENITIES | ディーラー車 (昭和42年登録) 左ハンドル FORD V8 OHV 302(4949cc) 300馬力仕様 6速マニュアル 全長:466cm 全幅:181cm 全高:134cm 定員:4人 外装:「エレノア」仕様 内装、機関系 フル・レストアというより新品入れ替え! 車検:2年つき渡し |
COMMENT | 1967年 FORD マスタング ファーストバック 「60セカンズ」 「エレノア」仕様 この車を 理解するためには、いくつか カテゴリーを分けてご説明 する必要がある。 まずは、 映画「60セカンズ」 この映画を見ていなければ、お話は 始まらない。 2000年公開のハリウッド映画、主演「ニコラス・ケイジ」、、 他は、たいしたことないが、「アンジェリーナ・ジョリー」は見逃せ ない。 乱暴に説明してしまうと(映画を見て頂きたいので、、) 要は、50台の車を計画を立てた上、1日で盗んでしまおう・という 車窃盗団の お話。 50台の車は、警察にバレないように、全て暗号として女性の名前が 付けられている。 そして、50台のうち、最後に盗むのが、ニコラス・ケイジ扮する 「メンフィス」 お気に入りの1台、 67年 「シェルビーGT500」改 これが「エレノア」。 50台のリストには、ベントレー「アズール」、「アルナージ」なん かも含まれているが、主役は 「エレノア」ってわけだ。 この映画の監督:「ドミニク・セナ」は、有名人ではないがプロデュ ーサーはすごい、 「トップガン」、「ビバリーヒルズコップ」、「アルマゲドン」、 「パイレーツ・オブ・カリビアン」、「アメリカン・ジゴロ」、 「タイタンズを忘れない」「バッドボーイズ」なんかをプロデュース したヒット請負人「ジェリー・ブラッカイマー」氏 この映画は、面白い。 個人的にも 5回は見ている。 「エレノア」 「60セカンズ」劇中に使用された「エレノア」は、 映画などに使われる車を製作するのが専業の「Cinema Veh icle Services」略して「CVS」という会社が製作。 ただ、デザイナーに 今をときめく 有名カーデザイナー「CHIP ・FOOSE」 チップ・フース氏を社外で依頼していた。 「エレノア」は、彼のデザインだ。 「エレノア」の映画的設定は、1967年モデルの 「シェルビー GT500」改 であるが、 CVSが製作したのは、67年(ボディラインが同じの68年も) 「マスタング・ファーストバック」を買い集め改造したものだった。 だから、「エレノア」なんて、オリジナル・モデルは、67年当時 存在しない。 あくまで、映画の中だけのモデルである。 作られたのは、全12台(諸説あり) 2台と同じ仕様はなかったらしい。 中には、オートマもあったし、エンジンもまちまち、 この12台 全てが映画に使われたわけではないが、、撮影中に 5台がスクラップになる(ジャンプ・シーン 他で)。 残りの7台のうち、4台は、おそらく、張りぼて状態の「エレノア」だ っと思われる。 そして、映画の宣伝として、実際には映画に使わなかった ビカビカ の1台が、マスコミなどに お披露目された。 ここが、キモだが、 映画の中では、「エレノア」のエンジン・フードを開けるシーンは 一度もでてこない。 つまり、映画中でも、「エレノア」のベース・モデルは なんだか 実は分からない。 ところが、このマスコミに 「エレノア」として お披露目された 個体は、ボンネットを開けてみせた。 映画会社(配給会社?)は、この映画公開の後、これほどまでの 「エレノア」がブームになるとは想像さえしていなかったであろう。 映画公開後、「エレノア」が欲しいというユーザーが急騰する。 業者でも個人でも、作りたいものにとって、ヒントは、マスコミ公開 された「エレノア」しかなかった。 知る限り、その「エレノア」のスペックは、 ・エンジンは、「GT500」のものではなく、「351ci」=5.7L ・4バレル・「ホーリー」キャブ ・サイド・マフラー(ただしダミー) ・Cピラーに 71’のマスタング・マッハ1の ガス・キャップ (これもダミー) ・「PSエンジニアリング」 17インチ・アルミ・ホイール ・シェルビースタイル ミラー ・「PIAA」のフォグ ・67’ デラックス・インテリア(アルミ・フェイシア) ・ウッド・ステアリング ・「GO・BABY・GO」と書かれたシフト・ノブ&ニトロ・スイ ッチ(これもダミー) この段階で、「エレノア」は、なんだか分からなくなる。 余談ながら、映画の「設定」にもっとも、近いと思われる1台は、 映画完成後、CVSが前述の著名プロデューサー「ジェリー・ブラッ カイマー」のために作った13台目の「エレノア」で、この「エレノ ア」は本物の「67’シェルビーGT500」をベースに作られていた。 さて、この「エレノア」販売において最初の利権を手に入れたのは、 「ユニーク・パフォーマンス」という会社であった。 映画終了後は、この会社が作った「エレノア」が (あくまで、仕様 であるが)、裕福層に売れた。 販売価格は、オーナーの お好みで まちまちとなったが、通常 20万ドル〜ほどの価格になったようだ。 さらに、しばらくすると、商売上手の「キャロル・シェルビー」氏ま で参入して、公認「エレノア」グッズやパーツまで売り出ししてしま うから、もはや 収拾が付かない。 その後、さらに別の会社に「エレノア」の利権は譲渡されていく。 先ほど「ユニークパフォーマンス」社のHPを開いてみたが、 もう「エレノア」は売っていなかった。(普通のアメ車中古車屋) そして、欲しい人に、「エレノア」は行き渡ったのと同時に、、 映画公開から10年以上経過、よほどのマニア以外は作らなくなった ようだ。 それに加え、ベースとなる67年・68年の「マスタング・ファース トバック」の まともなベース車が極端に少なくなっている。 まして、67年・68年の「シェルビーGT500」は、ベース車輌本体 で、数千万円の価値となっている。 ここから、膨大な費用を掛けて、「エレノア」に改造する案は、今と なっては、、?? それでいて、「GT500」の扱いずらさはハンパではないから、実用度 も よろしくない。 「マスタング」 と 「シェルビー」 1964年に登場したFORDの大ヒットモデル。 64年から68年モデルが、初代マスタング。 67年当時、モデルは、「2ドア・ハードトップ」と「コンバーチブ ル」と「ファーストバック」の3モデルがあった。 オプションは、AT、パワステに始まり、エンジンの選択肢は、6気 筒、V8(基本289ciで オプション多数)、などなど。 67年式と68年式「マスタング・ファーストバック」は、少しだけ 仕様が異なるが、「エレノア」のようにボディ改造がされた場合、 どちらでも関係なくなる。 ただ、66年以前、69年以降モデルはボディラインが異なるので ベース車輌として論外。 「マスタング」は、シリアル・ナンバーで年式がわかる(最初の1ケ タの数字が年式)ので、67年モデルがベストに決まっている。 だから、アメリカはもとより、世界中で、67年モデルと68年モデ ルの「ファーストバック」が高い。 67年は「エレノア」ベース、 68年は、映画「ブリット」で、スティーブ・マックイーンが乗って いた年式だから、この2年、特に67年モデルの極上「ファーストバ ック」は滅多に売られてもいない。 「シェルビー」は、 ご存知「キャロル・シャルビー」が 「マスタング」をチューンした モデル。 1965年から1969年まで生産・販売されていた。 「キャロル・シェルビー」は、私の好きな英国の AC社のボディを ベースに「ACコブラ」を作った人物であるが、元々は、レーシング カー・ドライバーであった。 1959年 アストン・マーティンDBR1で、「ル・マン」で優勝し ている。 これは、アストンの戦後 初優勝でもあった。 体を壊した「シェルビー」はレースを引退するが、 その後の60年から65年まで「ル・マン」レースでの優勝は、全て 「フェラーリ」が独占することになる。 その快進撃を阻止したのも「シェルビー」氏 FORDに依頼され、「GT40」をチューン、この「GT40.Mk2」 が、フェラーリの追随を許さず、1966年から69年まで、優勝。 これで、FORDとシェルビーの仲は完全な信頼関係で結ばれた。 そこで、発売されたのが、1965年の「シェルビーGT350」 1967年には 428ci(7.0L)エンジンを積んだ「GT500」も 追加。 「エレノア」は、この「GT500」をベースにしている設定(映画上の )というわけだ。 実際に「エレノア」と「GT500」の外見は 非常に似ている。 「エレノア」は、映画ファンか、単に 純粋に この車 かっこいい っと思う人が購入するモデルであろう。 純粋にかっこいい からで あれば、あれこれ考える必要はない。 映画ファン、、マニアであれば、どこまで、映画に出てきた「エレノ ア」に近いかが、大切となろう。 その場合、例えば、映画中に写らないエンジンは関係ない。 あくまで、映っている箇所が大切なのだ。 実際に映画用に作られた「エレノア」は、海外オークションに過去 3台、出品されている。 2009年 落札額: 216.700ドル 2014年 落札額: 380.000ドル 一番高額だったのが、 2013年 落札額: 100万ドル= 1億円超 この個体だけ特別高額だった理由は、映画の中で「ニコラス・ケイジ 」が運転していた個体そのものだったから。 おそらく、生き残った7台のうち、車として使えるのは、この上記、 3台だけなのだと思われる。 それにしても、高すぎる、、作っちまったほうが良さそうだ。 さて、当個体の お話: 貴重〜 ディーラー物 左ハンドル 昭和42年 = 1967年 国内登録 VINの頭「7」 間違いなく「1967年」モデル 以前弊社で販売させていただいた個体であるが、今回は、怒涛の 改良・改造が加えられ戻ってきた。 販売時の原型を留めるのは、、ボディとダッシュ上部くらいか、、。 そう、当個体には、軽く4桁万円の費用が、、。 以前の販売時は、映画使用(各種ダミー)の「エレノア」だったのだ が、前オーナー様は、より本格、しかも、真夏でも、クーラー ビンビンに効かせて、オーバーヒートなし、安心して、乗りたい仕様 にした。 「外装」 ・「エレノア」エアロ・キット ・販売時も映画と同じ「ペッパーグレイ・メタリック」だったのだが 再度、オールペイント ・ダミーだった「サイドマフラー」を本物に ・ダミーだった「給油口」を本物に ・バックパネル交換 (Shellby GT500 エンブレム) ・室内レバーにより、トランク開く(電気式) ・ボンネット・トランク FPR製 ・ボンネット・トランク ヒンジを強化型アルミ製(油圧) ・「PIAA」のフォグライト 一式 ・サイドダクトに「網」X4箇所 ・シェルビー・スタイル メッキ・ミラー ・17インチ「PSエンジニアリング」ホイールから 18インチ「シェルビー・アメリカン・レーシング」ホイールに F:235/40 R:285/35 ミシュラン 「内装」: ・Fシート 2客 新品交換 バケットタイプ ・Rシート 新品張替え ・カーペット 新品張替え ・ドア内張り&後部廻り 新品張替え ・「Shellby GT500」マット ・「GT500」ペダル ・「アルミ・フェイシア」+「Shellby GT500」エンブレム ・ドア内張り「アルミ・パネル」+「COBRAバッジ」 ・「ホワイト・メーター」 ・ メッキ・メーターカバー ・ メッキ・ステアリング・ポスト ・「モト・リア」ウッド・ステアリング COBRA ・ 3連ホワイト・メーター(水温系・電圧計・油圧系) ・「パワーウインド」左右 ・「エアコン」*クーラーじゃなくて ・ カロ・HDDインダッシュ・ナビ&地エジTV&バックカメラ ・ ETC車載器 ・ シートベルト 4座 ・「リモコン」ロック ・「GT500」シフト・レバー ・「ニトロ・スイッチ」ダミー ONで 点灯 ・「GO・BABY・GO」 「機関系」: ・ FORD V型8気筒「302」4949cc OHV アルミヘッド 300馬力仕様 新品エンジンに積み替え ・ 「6速」マニュアル・トランス・ミッションに ・ 「エーデルブロック」キャブに ・ 「ラック&ピニオン」のパワステに(ポンプも新品) ・ 「パワーブレーキ」 ・ 「MSD」イグナイター(6A)、コイルなど ・ 「アルミ」大型ラジエーター ・ 「大型電動ファン」 前に1機、後ろに2機 ・ ヘダース(蛸足) 交換 サイドマフラー新品交換 ・ 「エアコン」コンプレッサー新品 ・ 「オルタネーター」新品 ・ ハーネス類 新品引き直し それをフェンダー内に隠し ・ バッテリーを トランク内に移設 ・ 「ストラット・タワーバー」でボディ剛性補強 ・ 他 多数 要は 全部新品に 「足回り」: ・ フロント: ・4ポッド・大口径ディスク・ブレーキに ・「コイルオーバー」(ショックとコイルが一体) サスに ・リア :・1ポッド・大口径ディスク・ブレーキに ・板バネから、「コイルオーバー」サスに改造 67’マスタング用としてスタビなどとセットの キットにて。 他多数、、 この個体、内外装機関共に、現代テイストでフル・レストア。 ここまでやるか、、。 どこもかしも新車。 ボディシェルは、67年物だが、、他は、現代の車だ。 乗ってみた: リモコンのボタンで、ガシャをロック解除、イグニッションON、 セル一発でV8エンジンが目を覚ます。 サイドマフラーだから、もう少し 五月蝿い音かと思いきや、、 そうでもない。 ライオンが唸るが如し。 車検対策用にデカイ触媒が付いているから、それのせいだろう。 新品エンジンとMSDの お陰か、アイドリングは安定している。 クラッチは軽く、アクセルも軽い、しかもイージー、、 クラッチ・ミートに神経は使わなくてOK。 トルクも太いから、クラッチ・ミスは逆に難しいほど。 加速する。 速い、、 現代車の走りだ。当然か、、 シフト・チェンジも簡単、、操作性バツグン。 あれあれ、、知らなかった、、4速MTかと思いきや、、6速MT! 市街地走行では、せいぜい使って4速までだが、5速、6速は、 間違いなく高速道路走行で役立つだろう。 パワーブレーキの効きも最高! コーナーでは、4本の「コイールオーバー」サスが活躍する。 オリジナル・マスタングの ヒョコヒョコした不安定感は 0。 昔の車のイメージは、まったく感じない。 凝っているのは、「エアコン」*クーラーじゃなくて 操作するスイッチは、オリジナルのまま、吹き出し口もオリジナル (左右2ケ所と中央から)。 乗れば分かるが、前オーナー様が目指したのは、安心して乗れる ってこと。しかも 燃費も良くて、1年中快適に 普通に使える車だ たしかも、乗りやすい なんてもんじゃない。 67年式は、忘れてしまって結構。 イメージはレストアじゃなくて、現代のスポーツカーに「67’エレノア 」のボディを被せた って感じ。 そういえば、この「エレノア」を作った某アメ車専門店の職人さんに お話を伺ったところ、いわく: 「この個体の一番のセールス・ポイントは、全体のマッチングです」 確かに、新品パーツを取り付けるだけなら、やれる方も多いだろう。 だが、ここまで、乗りやすいセッティングにするのには、経験と時間 そして、何より「センス」が必要となる。 仕上がりは、まさに、見事だ。。 まったく、、すごい車だわ。 もう、この個体には手を入れる余地は残されていないように思うが、 個人的な趣味としては、ホイールは、元の映画の「エレノア」と同じ 17インチ「PSエンジニアリング」に戻した方が、いいような気もす る。 それなら、最高の乗り心地と安心感に加え、見た目も完璧「エレノア 」となる。 もっとも、この年式のマスタング、及び「エレノア」のパーツは、 アメリカで星の数ほど売っている。 いつでも入手できるから、 それは、次のオーナー様に任せるとしよう。 以前販売時は、悪く言うと「張りぼて」だった「エレノア」が、、 「本物」になって帰ってきた。 夢のために壮大な資金をかけたオーナー様と、その夢を現実のものと したスーパー職人の技術力、、 魂の1台! こいつが 日本一だろう。 では、お写真 怒涛の94枚を ご参考に↓ |