株式会社シーザートレーディング
TEL.042-480-2222 (営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12
MAKER | ROLLS・ROYCE |
MODEL | CORNICHE |
YEAR | 1980 |
EXTERIOR | WHITE (DarkBrown・Top) ホワイト /ダーク・ブラウン幌 |
INTERIOR | DarkBrown・LEATHER ダークブラウン・レザー |
PRICE \¥ | ASK |
MILEAGE | 並行車のため、あえて不明 (メーター上:55.425マイル= 88.680km) |
AMMENITIES | 本国仕様 右ハンドル (国内 87’登録) V8 OHV 6.75L 3速コラムAT 全長:519cm 全幅:183cm 全高:149cm 重量:2270kg 定員:4人 装備: ・電動オープン ・パワステ、パワーウインド、エアコン、パワーシート、他 スペシャル仕様! 外装: ・アイアン・バンパー (ウレタン・バンパーから変更) ・ニーリングレディ ・アルミ・ホイールに (スピリット2の) ・ホイール・オーナメントを「92’ コーニッシュ4・アニバーサリー」用に ・オールペイント済み ・「幌」骨組み木含め 総張替え ・「幌」カバーは、オリジナル 内装: ・「コノリー」レザーにて総張替え ・「ウッド」リペア ・「ナルディ」ウッド・ステアリング ・HDDインダッシュ・ナビ・地デジ(ブルーツゥース) ・カロッツェリア・スピーカー ・ETC車載器 ・リモコン・ドア ロック 機関系: ・「SUツイン・キャブ」に (ソレックス・シングル・キャブから) ・オルタネーター・クーラーコンプレッサー交換 他一式整備 ・HIDヘッドライト 内外装レストア済み、機関 当社にて完全整備渡し 超極上車! 車検: 2年付き渡し |
COMMENT |
ロールス・ロイス 「コーニッシュ」物語 「コーニッシュ」は、ロールス社のスタンダード・モデルではなく、傘下のコーチビルダー 「マリナー・パークウォード」(以後、MPWに略)製作のモデルである。 この手のコーチビルダー製作のモデルを「コーチビルド・モデル」と呼び「スタンダード・ モデル」とは分けて分類される。 ロールスロイスとベントレー(1931年に買収)の戦前モデルは全て「コーチビルド モデル」であったが、 戦後(1946年〜)、ロールス社は、自社でもボディ製作を始める・・ これが「スタンダード・モデル」である。 ただし、自社製といえど複雑なボディ製作は、不可能で、近年まで「コーチビルダー」に 託すしかなかった。 1960年代までには、イギリスに200社以上存在していたコーチビルダーの頂点にたった コーチビルダー、ひいては世界一と評されるコーチビルダーが「マリナー・パークウォード 」社である。 この会社の作るボディは、「工業製品」ではなく「伝統工芸品」である。 「コーニッシュ」の名は、南フランスのモナコ近郊を走るコーニッシュと呼ばれる湾岸道路 の名に由来する。 この「コーニッシュ」につづいて登場した「南仏リゾート・シリーズ」が、「カマルグ」、 そして、「アズール」だ。 「コーニッシュ」、その歴史は、 1966年に、4ドア・サルーンの「シルバー・シャドウ」をベースに MPWによってコーチビルドされた「MPW・ドロップ・ヘッド・クーペ」に始まる。 翌、1967年には、オープン版「MPW・コンバーチブル」が登場。 その後、マイナーチェンジと共に、1971年「コーニッシュ」の名称となる。 コーニッシュのシャーシ・エンジンは、基本的に、その時代の4ドア・ショートボディが ベースとなっているので、1966年から1976年までは、「シャドウ1」ベース 1978年から1980年が「シャドウ2」ベース、 1980年から1985年が、「シルバースピリット」の「キャブ」ベースである。 1981年までは、「コーニッシュ・クーペ」が存在したが、この年に生産中止となり、 以後、選択肢は、オープン・モデルのみとなる。 その後 1986年には、「シルバースピリット」がキャブから「インジェクション」へ進化した のを きっかけに、室内のマイナーチェンジ(センターコンソールがダッシュに繋がる など)が行なわれ、「コーニッシュU」と名称を変える。(USは85’〜) 1990年、更なる改良が行なわれ「コーニッシュV」、 1992年、 幌のフル電動化と4速ATへの進化で「コーニッシュW」と、その外観を殆ど変えること なく進化し、1995年に惜しまれつつ、全ての生産を終える。 さて、今回の個体モデルの解説の前に 当個体は「コーニッシュ1」に属するが、「シリーズ1」は、専門書では7種に分類して いる。 私も賛成の正しい分類だ。 覚えなくてもよい情報なので、各モデルの解説は、その個体が入庫した折にでもさせて いただくとして 分類のみ 1. 66’〜69’ 2. 69’〜71’ 3. 71’〜76’ 4. 76’〜77’ 5. 77’〜79’ 6. 79’〜81’ 7. 81’〜86’ 「シリーズ1」の世界は深いのだ。 当個体は、分類6.に属する。 当モデルは、正しくは 80’だけに分類されるモデルなのであるが、 上記の表(専門書 参考)6.の79’と81’の意味は、早作りと作り遅れだ。 生産台数は、「437台」 左:321台 右:116台 1980年モデル この年には、「シャドウ2」ベースと「スピリット」ベースの2モデルが 混在する。 見分け方は、エンジン・ルームを開けて見るのが簡単だ。 「シャドウ」ベースであれば、ブレーキオイルに「RR363」が使われていて、タンクは、 シルバー・スティールのカバー、 「スピリット」ベースであれば、ブレーキオイルは、「ミネラルオイル」 に替わり、タンクは、プラ製となる。 また、VINナンバーでも明確に認識できる。 1980年=「ミネラルオイル・コーニッシュ」は、 VIN:DRH50003 から始まり 最後は 50757 当個体は、VIN:DRH50308 無論、「スピリット」ベース・コーニッシュの方が信頼度が高い。 が、ここから85’までの「コーニッシュ」には、惜しい点がある。 それは、 1. バンパーがウレタンであること。 これは、シャドウ1ベースのアイアン・バンパーを持つ76’モデルまで の方が かっこいい。 2. キャブが、「ソレックス」のシングルキャブであること。 これは、熱に弱く、安定性に欠ける。 そう、、当個体は、この2つの惜しい点を無くした(改良した)スペシャ ル・モデルなのだ。 バンパーは、前後共に、アイアン・バンパーに! 当個体、外装はラッカーからウレタンで(=安心)オールペイントされているが、 おそらくは、そのときに施したものと思われる。 アイアン・バンパーの風情はバツグンだ。 海外では「アイアン・コーニッシュ」の高騰が著しいが、「シャドウ1」ベースは、 よほどの個体でなければ(30台に1台くらいの確率)手を出さないほうが賢明だ。 さらに「ニーリングレディ」の選択も渋い。 戦前戦後の僅かな期間のみ採用された「ひざまずくレディ」である。 ホイールの選択もナイス 80年モデルは、本来「ガン鉄」ホイールにカバーを付けてあるタイプ 当個体のは、かなりマニアック、、「スピリット2」用の15インチ中身「アルミ」、 表面には わざとクラシックに見せるため、メッキ・リングとメッキ・カバー、、 しかも、この、、オーナメントが只者じゃない(ホイールの中心バッジ)は、、 1992年、コーニッシュのベース「シャドウDHC」誕生(1967’)から25周年を記念 して 僅か「25台」だけ販売した「92’コーニッシュ4・アニバーサリー」の それだ。 分かる人が日本に何人いるだろう? そして、「SUツイン」 これも素晴らしき改良だ。 本来の「ソレックス・シングル」は、熱だれしやすく、SUに比べ、調整も やっかいだ。 おそらく、交換したオーナーも苦しんだ末の選択だったのだろう。 「SUツイン」はロールス社も大好きで、「ファンタム6」においては90年のファイナル まで、使い続けた。 整備性も好く(よしんば運転手でもできるし)、耐久性もバツグン。 他一式の総合的整備も含め、当個体は、世界でも稀に見る信頼度、安心度のもっとも高い 「アイアン・コーニッシュ」となった。 では、このまま 当個体のお話に入ろう。 1980年モデル 本国(英国)仕様 右ハンドル 国内 1987年登録 2012年から、ずーーーと当社管理下にある「シーザー認定号」 もう この段階で過去は関係ない。 が、因みに 当個体の現在のトリップメーターは:55.425マイル=「88.680km」! 記録簿は、96年時の35.941マイル(57.506km)から12枚+残されていて、走行距離は 繋がっている。並行車であるから、あえて不明とするが、 トリップメーターの距離は、正しいものと思われる。 当個体に大掛かりな改良(ボランティア活動)を施したのは、国内3オーナー目の方、 平成8年から平成20年まで長きに渡り、ご所有されていた。 ボランティア活動は、外装部だけではない。 内装も、「コノリー」で総張替え、そう 「コノリー」は、平成15年まで本物が入手 できた。 内装レザーの元色と同じ「ダークブラウン」コノリーで。 外装の元色は、「アイボリー」であるがオールペイント時に「ホワイト」に、、 元色は どこにも見当たらない。 80年当時の塗装塗料「ラッカー」では現在まで持たない。 当個体は、「ウレタン塗料」、だから長持ちする。 しかも、近年、前オーナー様のボランティア活動で、経年変化の診られたドア開閉部 などまで新たに塗装し直し(弊社塗装ファクトリーにて) 幌もオールペイント時だと思われるが、総張替えされている。 その際、中身の骨組み(ウッド)も新品に交換しているそうだ。 今も幌コンディションは、万全 ◎コンディション。 珍しいことに、オリジナル幌カバーが残る。 分厚いコノリーで作れた この幌カバーは、今や入手できない。 更に珍しいことに、この幌カバー、今も使える(ちゃんと被せる)。 通常は、収縮してしまっていてカバーとして使うことはできない。 「ウッド」も同時期であろう、リペア済み。今もキレイ。 この時代(80’)の「バー・ウォールナット」の「杢」は、見事っ というしかない。 こんなワイルドで芸術的な杢目は、後年では見られない。 最新のHDDインダッシュ・ナビ&地デジTV、ブルートゥース・オーディオ。 リモコン・ドアロックは、ドアだけでなくトランクまで同時ロックできる優れもの。 最高の状態で、「アイアン・コーニッシュ」を堪能することができる。 これは、大変貴重なモデルだ。 レストア費用は、軽く1千万円オーバー、 そこから、更に「シーザー認定号」として仕上げ、 おまけに、「シーザー・ファクトリー」での怒涛の整備。 これ以上の「アイアン・コーニッシュ」は、世界にあるまい、。 では、お写真、怒涛の「166」枚を ご参考に↓ *機関系の解説は、一番最後に記載 |
V8 OHV 6747cc 総アルミ合金製エンジン エンジンの基本構造は自体は、「コーニッシュ1」も「2」も「3」も「4」も同じ、 ガソリンの供給方法や足回りのセッティングが異なるに過ぎない。 もはや伝説(2020年生産中止)のアルミ合金製ハンドビルド・ロールス製エンジンである が、このエンジンの屈強さは、当社が一番良く知っている。 よく、機関系の心配をされる方がいらっしゃるが、全く心配ない。 イメージとしては、ロールス・ベントレーは、アストンの2グレード上、 ジャガーの5グレード上の車である。 使っているビスの1本から値段もクォリティも遥かに上だ。 故・徳大寺先生曰く、 「ジャガーのパーツに5倍のコストを掛けたらベントレーになる、、」 その通りである。 *コーニッシュ1・HOW TO試乗記 ここまで貴重で信頼度の高い「アイアン・」であるから、いついつまでも後世に残したい。 乗るのは、晴れの日に限る、雨の日は、もったいない、、。 幌の見えない箇所には、木が使われているので、この木を いかに長持ちさせるかが、 ポイント。 突然の雨は、しょうがないとしても(その程度は問題ない)、最初からどしゃ降りの中を 車庫から出す なんて考えられない。 一体で成型された丸みのあるMPW得意のドアノブのボタンを押し、ドアを開ける・・ ドアの厚みは18cmほどもあり分厚いが、ドアはアルミ製(開閉部は全てアルミ製)、 思っているほど重いものではない。 開けるときは、普通に・であるが、閉めるときには、ロールス流の流儀がある。 6インチという仰せだから・・およそ15cm手前から、手を添えたまま、押すように ボディに合わさるところまで閉める・・である。 ドアの閉め方を見ると、正しいロールス乗りであるか理解できる。 これが、メルセデスのドアを閉めるがごとく、凄い勢いで、バンッ・・ なんて閉めるようでは、よろしくない。 かっこも悪いが、ドアはアルミ製、振動で内部のロッドが外れたりして、壊してしまう 場合がある。 あくまで、やさしく・・ドアとボディの面が合わせる所まで、カチャリと閉める・である。 ただ、この年式のドア・キャチャーは、のちの「2」「3」「4」より コストが掛かっていて、頑丈にできている。少し強めに押し込むが正解。 キーを右に廻す・・まだ、セルを廻してはならない・・約3秒ほど待って からセルを廻す(この間に燃料ポンプがガソリンを送る)、、 「シーリズ3」以降は、これに「システムチェック」がプラスされるので絶対的儀式と なるが、「1」は アバウトでOK。 エンジンをかける、、 キュルキュルとセルモーターが回って6747ccのV8エンジンが目覚める。 オートチョークであるから、チョークを引く必要など無い。 エンジンは温まると勝手に回転を下げる。 この時代でも「2」と同じ、インフォメーション・パネルがある。 大事なことは ぼ〜としていても、このインフォメーションパネルがお知らせしてくれる。 ランプは、10個 上から、(2列5段) 1段目:「No'1.ブレーキ・プレッシャー」&「No'2.ブレーキ・プレッシャー」 *油圧の溜まり具合ランプ 消えるまで待ってスタート しばらくぶりに乗るなら、3分ほど掛かる。 このランプが走行中に点滅(ついで点灯)するようなら、 アキュームレーターの交換時期=弊社にお持ちください。 一般的には、車検のおきに交換するもの。 2段目:「パーキング・ブレーキ」&「ブレーキ・フリュード」 *サイドブレーキ解除で消える &ブレーキオイルが少ないと点灯するので、 補充する。(トランク内にオイル積んでる) 3段目:「エンジン・オーバーヒート」&「ロー・クーラント」 *ラジエーター水を補充していないなどすると最初に 「ロー・クーラント」が点灯する=ラジエーター水補給 それでもほっておくと「オーバーヒート」点灯、 このランプが点灯したら、即座に安全な場所に車を停車し、 ラジエーター水(水道水で良いので)を補給するべし。 4段目:「ウォッシャー・フィールド」&「ストップランプ」 *ウインド・ウォッシャー液補充 &ストップランプ玉切れ 5段目:「ICE」&「ロー・フューエル」 *「ICE」アイス=外気温度が0度以下=路面凍結注意 「ロー・フューエル」=ガソリン少ない エンジンを掛けたら上記ランプの内、サイドブレーキのランプ以外、 全て消えるまで待つ。油圧を溜めているのだ。 この時代のロールスは、ブレーキ4輪とリアサスに「油圧」を使っている。 音は、、今となっては、決して静か・とは言えない。 大体、ロールスのエンジンは静か・と言われていたのは、直列6気筒までの時代の話、 V8エンジンになってからは、静か・が売りではなく「好い音」が売りだ。 この快適な「音」のお陰で、音楽なしでも、飽きずに車を走らすことが出来る。 それが証拠に、この時代の「コーニッシュ」、マフラーは左右2本だし。 「3」までも同じ、GM400型の3速AT、屈強な上、トルク感満点、 キャブ車であるから、のちのインジェクション(2以降)より、遥かにレスポンスがよい。 出足の俊敏性を味わうと 病み付きになる。 これが キャブ車の醍醐味だ。 幌クローズで走行、、3重構造の分厚い幌は、イギリス車にありがちな傘程度・ のものではない・・バタつき感もほとんどない。 エンジンがかかっていなくてもオープンにすることはできるが、バッテリーの減りと モーターの負担を考えれば、エンジンがかかっている時にオープンにしたほうが良い。 2ケ所のフックを外し、オープン用スイッチを押す、スイッチを押してから、 ものの7秒ほどで幌が完全にオープンとなる。 これは、「2」も「3」も同じ。(4.は、フルオート) オープンにするときのコツは、スイッチを押しながら、手で少しだけ幌を上に持ち上げて あげると好い。 スムーズにオープンになるし、なによりモーターへの負荷が軽減され、モーター自体の 寿命を延ばす。 最初の30cmくらいを持ち上げるときにモーターの負荷は最大となる。 閉めるときも最後は、少し手で支える、、これは、幌のフック(留め金)でボディを キズつけないようにするため。 この開閉時の所作、、その優雅さが、コーニッシュ乗りの経験値を表す。 オープンにして走り出す。 うーん、やはりコーニッシュは、オープン走行が堪らない、、。 風の巻き込み具合は、まぐれ?・であろうが奇跡的に絶妙だ。 オープンカーは数あれど、コーニッシュならではの、この感覚が味わえる車を他に知らない 当個体の足回りは、同年の「シルバースピリット」と同じであるから、当然 柔らかい。 かと言ってシステムが異なるので、「シャドウ」よりは僅かに硬い。 絶妙なのだ。 もはや、完全なるクラシックカーにして、バツグンの安定性。 短距離でも長距離ドライブでも快適、、日常の足でも問題なし。 ハンドルのキレがよく、着座位置が高いため、目線も高く、いたって乗りやすい。 グリルに鎮座する「ニーリングレディ」はデカイ。 これが、好い水先案内人となる。 個人的には、日本で一番多くの「コーニッシュ」を運転した と自負している。 そして、こいつばっかりは、いつ乗っても、何台乗っても飽きるということがない。 もっとも、日本にも多くのダメ・コーニッシュが住んでいる それに当たったら、、 通常モデルより悲惨な目にあう。 だから、ダメ・コーニッシュは、最初から仕入れない。 随分ボランテァ活動も行ったが、やはり、レストアってのは、最低、1千万円〜で、数年、 、、合わない。 完成品を購入するに限る。 当個体は、そういう意味でも 実に都合が好い。 レストアに要した費用以下で入手できるのだから。 しかも完成度は、極めて高い。 さあ、世界的にも貴重な「乗れるアイアン・コーニッシュ」 一時預かり人 募集中〜! |
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