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RollsRoyce Bentley Specialist

株式会社シーザートレーディング
TEL.
042-480-2222 (
営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12

BENTLEYHEADLINE

 AUTOMAKER BENTLEY 
  MODEL S V 
 


 
  YEAR 1964
  EXTERIOR GUN.Met/BALMORAL GREEN


(ガン・メタリック&バルモラル・グリーン コンビカラー)
  INTERIOR TAN・LEATHER


(タン・レザー)
  PRICE \ ASK 
  CHASSIS/NO'

B118LFG

  AMMENITIES


北米仕様 左ハンドル (国内 91年登録)






V8 OHV 6230cc   4速コラムAT




スペック:必要にして十分





全長:530cm


全幅:190cm


全高:158cm



車重:2130kg


定員:6人!





装備:



パワステ、パワーウインド(右フロントのみ)、クーラー、



フロント・ピクニックテーブル、リア・ピクニック・テーブル、 






*電動・ガラス・スライディングルーフ



*クーラー(コンプレッサー国産サンデン製 R134aガス)



*オルタネーター(直流から交流に)



*大型電動ファン



*「BOSE」スピーカー









稀に見る超極上車!



車検:令和7年09月07日まで



 
  COMMENT






「SV」物語





シャーシ&ボディ 最後のクラシック・ロールス「クラウド」シリーズの




ベントレー版ファイナル・モデル「SV」である。








「シルバークラウド」=ベントレー「S」と名が付くモデルは、1955年に




発表された「クラウド1」=「S1」から始まる。





第二次大戦以前、ロールス社(ベントレーは1931年に買収)は、自社製ボディ



は作っておらず、エンジンとシャーシを提供している機械屋にすぎなかった。




ボディを作っていたのは、「コーチビルダー」だ。




英国には、名が残るコーチビルダーだけでも、300社以上存在していた。




その中で、ロールス&ベントレー級の頂点モデルをコーチビルドできたのは、




凄腕を持つ上位20社ほどでしかない。





そうして、「住み分け」ができていたわけだが、ロールス社は、戦後、調子に



乗って自社製ボディをも手懸けるようになる。




それをコーチビルド・モデルと分け「スタンダード・スチール・サルーン」と



呼ぶ。スチールの意味合いは、開閉部(アルミ)以外は、スチール製だった



からである。*コーチビルド・モデルは、多くの場合「総アルミ」。




無論、複雑なボディ製作は行うことができず、そちらは、英国トップ・コーチ



ビルダー「HJマリナー」と「パークウォード」の2社を買収し(MPW)、



1961年より全てお任せとなる。(2ドア・モデルとリムジンは、全て)





ロールス社が戦後初めて発売した「スタンダード・モデル」は、




1946年、ベントレーの「マーク6」というモデルで、ロールス版モデル




「ドーン」は、それに遅れること3年、、1949年のこと。



これは、ベントレー・ブランドの方で まず「実験」したのである。




そう、この段階では、「ベントレー」は、「ロールス」の格下ブランドという



扱いだった。




そんなベントレーが、結果的に、より多くの後世に残る名車を生み出すことに



なろうとは、、、誰が想像しただろう。








ロールスの「ドーン」、ベントレーの「マーク6」進化版「Rタイプ」の



新型後継モデルが、1955年に発売される。




ロールス「シルバー・クラウド1」、ベントレー「S1」である。






1955年〜59年に生産



「シルバードーン」と同じ、直6・4887ccのエンジンを積んだ車ではあった




が、ボディデザインの大幅な変更以外にも、機関系には、大幅な改良が加えら




れロールス社・直6モデルの集大成、、しかも最後の直6エンジンを積んだ




モデルとなった。*この直6エンジンは、ほんとに素晴らしい。







「クラウド」&「S」のデザインは、今観ても、秀逸だが、なぜ、こんな優れ



たデザインが機械屋ロールス社にできたのか?



その答えは簡単、




優れたコーチビルダーのデザインの好い所取りして(ぱくった)書いたのだ。




「クラウド」と好く似たデザインは、「HJマリナー」や「フリーストン&



ウェッブ」「パークウォード」などで「クラウド」登場以前から書かれていた












両モデルの、生産台数が興味深い。




「クラウド1」の生産台数は「2238台」(+ロングホイール:122台)



「S1」の   生産台数は「3072台」(+ロングホイール:35台)





どうだ! ベントレー「S1」の勝利!




この丸っこいボディには、ベントレー「グリル」の方が似合っていた、結果で



あろう。



もっとも、「ベントレー」が「ロールス」の生産台数を超えるのは、「S1」



で終わり、、再び、追い越すのは、スーパースター SZ系「ターボR」の



登場、30年先まで持つしかなかった。






その最大の理由は、私が思うに(個人的見解)




ベントレーの「コーチビルド・モデル」の成熟であろう。




「ベントレー」は、元々、1920年代に「ル・マン」で5勝もしている、スポー



ツカー・ブランドだ。




戦後、多くのコーチビルダーが、このスポーツカー路線を強調した




優れたベントレー・コーチビルド・モデルを作り始める。




つまり、スポーツカー的 を好むベントー・ファンは、そちらを買う。




事実、戦後ベントレーのコーチビルドモデルは、ロールスのコーチビルド



モデルより遥かに売れている。




数字で比べてみよう(足し算した)





戦後〜1965年までの コーチビルド・モデル生産台数



(ドーン、マーク6、クラウド1.2.3.、S1.2.3.まで)




「ロールス」 : 742台



「ベントレー」:2824台





まさしく桁が違う。



これに、ロールス版しか存在しなかった「シルバーレイス」の「1883台」まで




加勢しても、2625台だから、まだ、ベントレーに負ける。




「ベントレー」は、決して「ロールス」の格下モデルではない。



コンセプトの異なるモデルなのだ。










1959年9月、新設計、総アルミ合金製V8・6230ccエンジンを積んだ




「クラウドU」&「SU」がデビューする。




この時点からロールス社のエンジンは、このV8 一種類のみとなる。



このV8エンジンこそ、ベントレー「アルナージ」の最終モデル、いちよ



現行「ミュルザンヌ」にまで使い続けられることになる伝説的エンジン!





1と2は、シングルヘッドライトの同じデザインのボディと考えてよい



ので、外観上で区別することは難しい。





「クラウドU」の生産台数は、「2418台」(+ロングホイール:299台)



「SU」        は、「1863台」(+       :57台)









1962年、エンジンの改良(7%パワーUP)とパワステ・サーボ力向上、



デュアルヘッドライトに変更された(ファンダー形状も異なる)「クラウドV



」に進化、、このモデルが、クラウド・シリーズの最後の作品となる。



「クラウドV」に至っても、エンジン出力などのスペックは非公開で、「必要



にして十分」としか説明されていないが、






当時の英国の有名カー雑誌「AUTOCAR」などのテスト計測によると、



最高速度は、



実速で





シルバードーン :140km(ATで)



クラウド1    :170km



クラウドU    :185km



クラウドV    :188km





となっている。




正に必要にして十分、、「クラウド」&「S」は、どのシリーズでも、



実際に乗ってみるとトルク感も満点、、これだから、ロールス&ベントレー



に乗るのに「数字」は必要ない。







生産台数は、1962年から「シルバーシャドウ」デビューの1965年の間に





「クラウドV」:「2555台」
(+ロングホイール:254台)




「SV」   :「1286台」(+       : 32台)






「クラウドV」の2555台でも十分少ない台数であるが、当「SV」となると



もはや、限定車のごとく のような生産台数となる。




この時代、いや今も、「クラウドV」より、「SV」を好むユーザーは、



ロールスの巨大グリル&フライングレディは、少々気恥ずかしい という方で



あろう。



確かに、ロールス・ロイスという車は、戦前から天皇陛下の御料車として



日本中津々浦々の御年寄りまで知っている。




そういう方には、「SV」、最適なモデルであるが、、なにせ、現代まで




生き残った極上個体は、稀中の稀でしかない。




一時期、「中古車」と呼ばれている間に、価格は不当に下がり、大切に扱われ



た個体が少ない。生産から30年が経過し、「クラシックカー」の仲間入りを



果たしたころには、、貴重モデルとなってしまった。










数年前までは、クラウド&Sシリーズの一番人気は、ダントツ「クラウドV」




であったが、近頃は、シリーズの人気というよりは、個体自身の「コンディ



ション」の方が重要という流れになってきた。




だから、人気の「シリーズV」と言えど、コンディションが伴わなければ、



意味がない。



当「SV」、最大のセールス・ポイントは、そのコンディションである。











「シリーズV」は、ロールス社 最後のシャーシ&ボディの車(その後は



モノコック・ボディ)で、「クラシック・ロールス&ベントレー」と呼んで



よいモデルは、ここまでであろう。




そういう意味では、クラシック・ロールスの入門車にして、最高レベル




の満足感を味あわせてくれる理想的なモデルと言える。




機関系も度肝を抜く頑丈さを持ち、正しい整備で、現代の交通事情の中でも



普通に乗れる、、どころか、速い。



しかも、その機関系は(専門メカニックにとっては)、シンプル構造で、



整備性も好く、パーツで入手できないものなど無し、維持費も安価とくる。



もっとも、この事実を体感できる方は、正しい個体を購入した方のみ限定。











当個体の お話





1964年モデル




ベースは、北米仕様 左ハンドル



平成3年 国内登録  まさにバブル。



以前弊社で販売させていただいた「シーザー認定号」!






戦前からロールス・ベントレーの最大のマーケットは、アメリカだった。



「クラウドV」も「SV」も生産された その大半がアメリカに輸出されたか



ら、極上個体を見つけるという意味ではUSモデルが一番探しやすい。



それも西海岸物なら、天候のせいでクサリやサビが少なく理想的だ。



しかし、それも そろそろ、、



今から、20年ほど前なら、西海岸に多くの極上クラウド系モデルが 



ころがっていたが、今は、あてもなく探し続けて 見つかるものじゃない。



専門の車屋まわりをしても、難しい。



もう、ほとんど「極上」は残っていない。



これは、アメリカだけではなく、世界的に、同じ、、、ない。



さらに、



当「SV」が、如何に「稀に見る・・」と言えど、日本一「うるさい」、



当社の「シーザー認定・号」とするまでには、前回販売時、更に手を加える



必要があった。




それほど、もはや「極上クラウド系モデル」は、貴重なのだ。








当「SV」は本当に都合の好いクラシックカーである。



オプション装備も充実しているし、後から施した改良も的確で、これなくして



日本では走れない。




このクラシカルな佇まいを持ちながら、パワステ、助手席パワーウインド、



サンデン製コンプレッサー(R134ガス)クーラー(吊り下げ式ではなく吹出



し口もオリジナルの場所)、大型電動ファン、発電機は発電量の多い交流



(オルタネーター)に交換済み、パーコレーション対策もしているし、




スピーカーは「BOSE」、速度計は「Km」表記に交換、




珍しい〜「電動ガラス・サンルーフ」まで、、




この充実装備を ロールス社自身でギアを研磨した(=世界最高品質)



4速コラムATで走らせれば、、



現在の車と遜色なく快適に運転を楽しむことができる。



車検証で「6人乗り」としているから、実際6人乗ってもOK。





毎回、この車に乗ると、、車の進化 って、いったい何をもたらしたのか、、



考えてしまう。








「クラウド」系モデルもまた、ハンドメイドで作られている。



開閉部(ドア4枚・ボンネット・トランク・給油口)は、「アルミ」製だ。



使われてる「ウッド」は1台づつ 違う「模様」を見せる。



それは、 わび・さび  の境地だ。










外装:「ガン・メタリック」&「バルモラル・グリーン」コンビカラー





なんと洒落たコンビカラーであろうか、、



クラウド系モデルは、コンビカラーが好く似合うし、当時の流行でもあった。




もち、オリジナル塗装ではない。



オリジナルの「ラッカー」は、現代まで持たない。



100% 誰かがオールペイントして後世に残す必要がある。



それも、「ウレタン鏡面塗装」にするのがベストだ。



それなら、塗装の耐久性、管理の容易さ、艶、ともに問題がない。



当個体は、すでに施し済み。



次のオーナーは、塗装代金、数百万円の費用を捻出する必要が無い。






当個体は、西海岸で育ったので、サビやクサリが ほとんど見受けられないの



も素晴らしい。 




むしろ、その見えない箇所が◎なことこそ、当個体の最大のウリであろう。









当個体の「車検証」上の全長は、「530cm」とある。




「538cm」パターンもあるが、、クラウドには、2種類のオーバーライダー



(バンパーのかつお節)があり、それで長さが異なる場合もあるにはあるが



「シリーズ3」では、ほぼ、これのみ、で、実測してみた。



「528cm」だった。




これは、SZ系ショートボディと同じサイズだ。 伝統か、、。



車高が高いから、デカく見えるが、そんなことはない。











内装:タン・レザー





外装と同じように、レストア済み。




しかも、「素材」が良い。




驚くべきことに、「リア・シート」はオリジナルのようだ。



フロント・シートは張り替えられているが、「コノリー」に診える。



ということは、コノリーが まだ営業している(2002年まで)時代以前に



レストアされたことになる。




現在では、この ごわっ としたクラウド・レザーは入手できない。




*当社なら、コノリーの製法を継ぐ英国の会社に特注して作らせるが、



 1枚あたりの単価は通常の数倍となり べらぼうだ。




ロールス&ベントレーの内装を張り替えるのは、「拘る」と難しい。




技術的にも、素材を調達するのも だ。



国産やドイツ産のようなペラペラ革で張り替えようものなら、後世に自慢でき



る個体にはならない。 もっとも今では、そんな拘りを持つ業者も少ないが。






当個体の「でき」、まるで、オリジナルにみえる。



「素材」と「腕」がよいのだ。



そして、今も綺麗なままだ。






ウッドもレストア済み、おそらくは、内装レストア時に合わせてリペアされた



のであろうが、今尚、美しい艶を保つ。




芸が細かいのは、ダッシュ上部の革をオリジナルの「黒革」から外装に合わせ



た「緑革」に張り直してあること。これは、前オーナー様による。





他、前述の通り、近代的クーラーを始め、有意義な装備が満載の当個体である



が、中でも、「電動・ガラス・ルーフ」は面白い。



ほぼ見ることのできない装備で、ガラス・ルーフが電動開閉するだけではなく



プラス:手動式のパーテーションまで付いている。



この開放感は、好い。  この装備付きは、弊社初入庫となる。





さあて、あとは実車を ご覧頂いた方が 早そうだ。




ベントレー「SV」 




こんな お洒落なクルマ  そうはない。








まずは、写真154枚を ご参考に ↓





*機関系の解説は 一番最後に 







 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
 



エンジンは、ロールス社・新設計V8エンジン








ロールス社のV8エンジンは、1905年にも試作、完成までされているので、これで2番



目となるが、このV8は、まったくの新設計。



アルミ合金製、6230cc OHV、SUツインキャブ、、、



このエンジン、オーナー、もしくはメカニックが、間違った管理、整備で壊さないかぎ



り、壊れようがないので、生きている間に心配することはない。





標準装備で、パワーステアリング付き。




前述したロールス社研磨の「4速AT」の頑丈さはハンパじゃない。




その後(1968年から)採用する「GM400」の「3速AT」は、コストダウンの為だ。







この時代に 早くも サスの硬さも調整ができる。



ハンドルポスト左脇にスイッチがあり、ノーマルとハイ(高速走行時などで利用)を切



り替えられる。





クラウドのメカニズムで、特筆すべきは、油圧のブレーキ廻りであろう。



4輪ともに、ドラム・ブレーキではあるが、前輪の油圧系パーツは、「ロッキード」製、



後輪パーツには、「ガーリング」製のものが使用されている。





更に、これに、「メカニカル・サーボ・ブレーキ」




機能が加わる。




戦前の名車「イスパノ・スイザ」が特許をもつ、「メカニカル・サーボ」、、、



ロールス社は、1925年のファンタム1から採用している。



国内各所で行なわれているクラシックカー・ラリーやフェスティバルに戦前のロールス



が、まるで普通に参加して走行しているが、それは、このブレーキシステムの恩恵によ



るところも大きい。



このシステムは、エンジンの回転(ドライブシャフトの回転)からパワーを取り出し、



ブレーキの効きを増大(アシスト)するもので、簡単に言ってしまえば、パワーブレー



キだ。



よってドライブシャフト回転数が高い(走行速度が速い)ほどアシスト力は増大する。




シャドウ以降に採用されるシトロエン特許のハイドロとは、まったくシステムが異なる








私個人の感想だが、当個体が日本に持ち込まれたバブル期ごろ、このブレーキシステム




を多くの日本人メカニックは、完全には理解していなかったのではなかろうかと思う。




「クラウド系」モデルを新車で購入できた日本人は ほとんど聞いた事がないほどだが



バブル景気(89年〜91年)のころには、多くの中古車が日本に輸入されてきた。



ついに日本にも「クラウド文化」が持ち込まれたわけだ。





それ以前は、クラウドのブレーキは、効きが甘くて普通、、なんていっていたものだ。



これが、バブル景気のお陰で、多くのクラウドを含むクラシックロールスが海外から輸



入され、メカニックも数多くの個体の整備が出来るようになった・・・




お陰で当社でも完全に整備できるようになった。



正しく整備されたクラウドのブレーキは、まったく恐いものではない。普通に乗れる。





とはいえ、当個体、売約後は、一から怒涛の 点検・整備を施す。




凄腕メカが揃う自慢の「シーザー・ファクトリー」無料整備、これ以上の安心材料は、




世界にない。







元気なうちに 乗っておいたほうが良い。




「クラウド系」モデルを乗らずして ロールス&ベントレーの世界は語れない。




そして、その「世界」は、一度の人生では足りないほど、限りなく、限りなく深い。