r

本文へスキップ

Rolls-Royce Bentley Specialist

株式会社シーザートレーディング
TEL.
042-480-2222 (
営業時間10:00~20:00)
東京都調布市西つつじヶ丘1-58-12

BENTLEY HEADLINE

R-Type

  MAKER BENTLEY  
  MODEL R-Type Saloon 
  YEAR 1953'
  EXTERIOR BURGUNDY met


(バーガンディ・メタリック)
  INTERIOR
TAN・Leather
 


(タン・レザー)
  PRICE \ ASK 
  VIN: B18TN
  AMMENITIES




本国仕様 右ハンドル




国内登録:1991年12月






直列6気筒 SUツインキャブ 4566cc  



4速フロアMT





スペック:「必要にして十分」






全長:498cm


全幅:182cm


全高:168cm


車重:1780kg



定員:5人






*「外装」:全バラシ・剥離オールペイント済み!




*「内装革」:全バラシ・総新品張替え済み!




*「ウッド」:総リペア済み!




*「カーペット」:総張替え済み!




*「天井内張」:総張替え済み!




*「メッキ類」:総再メッキ




*「機関系」:エンジン落ろしてOH & 他総整備済み!




*「エンジンルーム内」も塗装済み!




*「シャーシ」もレストアの上、総塗装済み!









装備:






・「右ハンドル」「右フロアMT」



・前後「ピクニック・テーブル」(計:3つ)





後付け:



・「クーラー」



・「ETC車載器」







内外装機関ともに「フル・レストア」済み!



世界トップクラス◎コンディション!







車検:令和6年(2024年)12月26日まで


 
  COMMENT




「Rタイプ・サルーン」!






1952年~1955年の生産された「Rタイプ」の「スタンダード・サルーン」



を 「フル」レストアした個体!



「Rタイプ・サルーン」で、ここまで「フル」なレストアを施した例は、世界でも



稀中の稀。過去には、知らない。





「Rタイプ物語」:





戦後、ロールス社で最初に販売された「ベントレー」が、1946年~の「マーク6」。



1939年~1941年の間に生産された「マーク5」(完成は15台のみ)の後継モデルで、



「5」の意味は、「WOベントレー」の最初の「6気筒」モデルから数えて、5つ目の



6気筒モデルという意。



この「マーク6」の後継モデルが、当「Rタイプ」(52’~55’)。事実上の「マーク7」





「マーク5」が短命で終わったのは、もちろん、第2次大戦のおかげ、、



ロールス社は、「ダービー工場」で自動車の生産を行っていたが、1938年、チェシャー



州の「CREWE」クルーに大工場を作る。ここでは、航空機の「マリーン・エンジン」



を大量生産するため当時の最新鋭精密工作マシンが大量に用意されていた。



さて、戦争が終わり、勝利国である英国も国全体が疲弊していた。



この状況の中では、戦前の「ファンタム」のような巨大で高額な車は売れるはずもなく



ロールス社は、この大量の工作マシンを利用して、安価で(っても高いけど)、



大量生産(っても手づくりだから少ないけど)できるモデルを作ることに、、。



とはいえ、エンジンを新設計する余裕はなく、戦時中に軍用に量産していた「Bレンジ



」エンジンを利用することに、、「Bレンジ」は、大きく分けて




・「B40」:4気筒 :のちの「ヴァンプラ4LR」に再利用



・「B60」:6気筒 :これを「マーク6」に利用



・「B80」:8気筒 :50’~56’「ファンタム4」に利用




「B60」は、戦時中、「ディムラーのフェレット装甲車」などに積まれていた軍用



屈強エンジンだった。



これを自動車用に改良、当初「4257cc」



戦前は「ボディ」など作ったことのない「ロールス社」、デザインをおこして、



ボディ「プレス」は、外注、シャーシは、「シルバーレイス」と共有(ホイールベース



は違うけど)とし、クルー工場で、組付けるだけの作業。




1946年、ロールス・モデルに先駆けて、「マーク6」として発売。



このロールス自社製ボディのモデルを、のち「スタンダード・サルーン」と呼ぶ。



個人的に好きな逸話を、



このモデルから、量産に向け、それまで、新車完成後の走行テストで「500km」ほど



走行していたのを、時短のため、走行テスト「250km」でOKとした



って、250kmも走るんかいっ(笑





なぜ、「ベントレーモデル」を先に販売したか?




それは、初めての自社製ボディで、世論的評価も?? で、万が一にも「ロールス」



ブランドを汚すことのないように で「ベントレー」で様子見。



自信がついたところで、ロールス版モデル「シルバードーン」を販売したのは、



1949年になってからだった。



「マーク6」は、1946年~1951年に生産:「5202台」大成功



1951年:排気量を「4566cc」にボアアップ。



このモデルは「ビックボア・ベントレー」と呼ばれる。



北米市場でも人気を博し、クレームの多かった「トランク容量が狭い」を解決すべく




1952年:トランク容量を広くした「Rタイプ」を発売。(事実上のマーク7)



このモデルは、「ビックブーツ・ベントレー」とも呼ばれる。



「Rタイプ」も大好評。調子に乗ってきて、「Rタイプ」ベースの高性能版モデル



「Rタイプ・コンチネンタル」も発売(1952’~55’)



こちらは、全て「コーチビルドモデル」で、「208台」生産、このうちの「193台」が



例の「戦後ベントレーの最高傑作」にして、当時の世界最速「2ドア・4座・クーペ」



「HJマリナー」のファーストバック「Rタイプ・コンチネンタル」だ。





「Rタイプ・サルーン」は、52’~55’の間に「2322台」生産(オーダーあり)



一方、ロールス版「ドーン」は、49’~54’の間に「761台」のオーダーのみ。




なぜ?「ドーン」は人気が? これは、設定が「ロールスロイスはかっ飛ばす車では



なく、しずかで おしとやかに走るクルマ」と いうわけで、わざわざ「Rタイプ」の



「SUツイン」キャブから「ストロンバーグ」のシングルキャブに替えて、ディチェー



ン、、おかげで、恐ろしくノロいモデルに、、これでは当時の高速走行時代の幕開け



の中では人気が ね。




まだ この時代(60年末ごろまで)、ロールス社は、ボディなし、シャーシと機関系



のみの「コーチビルド用」モデルも販売していて




・「マーク6」ベース:「1012台」



・「Rタイプ」ベース:「283台」



・「シルバードーン」ベース:「64台」




のコーチビルド・モデルも存在していた。





「Rタイプ」の時代、のちの我々マニアにとっても、大きな改良が行われている。



それが、スタンダードモデルにおける「オートマ」の採用。



まず、1953年:北米仕様(左ハンドル)で、「AT」(4速)が「標準装備」に。



1954年には、「右ハンドル」でも、「AT」が標準装備になる。



ところが、今や「マニュアル」ブーム、、確かに、「Rタイプ」は、「MT」で運転した



方が遥かに面白く、楽しい。



つまりは、本格の「右ハンドル・右MT」の「Rタイプ」を選択するなら、



1952年と1953年、この2年間モデルに絞られる。



たったの、、2年、、この中で、「極上Rタイプ」を探すなど、、ふかのう・・




と 思ったら、あったわ  ↓








さて、当個体の お話:






本国仕様 右ハンドル 1953年式  右フロアMT




国内登録は、1991年時  まさにバブルっ



「Rタイプ」を新車で購入できた日本人など一人もいない、、




理想的エンジン「直6」の「MT」



なにより特筆すべきは、、「フル」レストア物




一般的な「レストア」と「フル・レストア」は、まったく異なる。




「フル」は、全バラシで、手を入れてないところがないという次元ものレストア。




前述の通り、・「ボディ分解剥離オールペイント」&「再メッキ」&「内装 総張替え」



「ウッド・新品リペア」&「エンジンも降ろしてオーバーホール」&各機関系も整備。



ニュージーランドの「ビーチャム」社と同じレベル、もしくは それ以上の再生新車。




しかし、これが「コーチビルドモデル」ならともかく、「スタンダード・サルーン」に



ここまで壮大な費用と時間をかけた「フル・レストア」を施したのは??




その理由は、当個体、前オーナー様運転で、「2013年」に開催された「北京~パリ」



ラリーに参加。



このレースは、世界でも指折りの地獄の耐久レース、、



5月25日:中国「北京」を出発



「モンゴル」「ロシア」「ウクライナ」「スロバキア」「オーストリア」「スイス」



と走り、6月30日:フランス「パリ」ゴール



最初のモンゴルはゴツゴツ石が転がる道なき道を走るわけだが、この段階で、何台もの



リタイア車がでるという。



オーナー様曰く、このレースは、ロールス&ベントレーのような頑丈なフレームを持つ



車で参加しないと無理 とのこと。




かくして無事レースを終え、日本にも戻ってきた「Rタイプ」は、さすがにボロボロに



で、「一時預かり人」の任で、予算度外視の「フル・レストア」を某老舗工場へ依頼。



ここで、前述の「フル・レストア」が行われ、途中写真も残されている。



当社より遥かに古い歴史を持つクラシックカー整備&塗装のパイオニア工場、渾身の



出来栄えである。



数年を要して完成、オーナー様、私の任は終わったので、お次の方へ とのこと。




そんなわけで、当個体、レストア後、ほぼほぼ走ってもいない。




現在、コロナやウクライナ侵攻、そのほかの戦争関係で、レースは中断しているが、



オーナー様、開催されれば、また出場したい と。その場合、もっと過酷を極めるで



あろう「戦前」のRR&Bを購入して らしい。






さらに~ 当個体、当社入庫後、わずかに発見された塗装クラック箇所など、再塗装



仕上げ、新車に磨きをかけた感じ。




さらに~ タイヤも「ホワイト・ウォール」新品 交換。



クラシックカーらしさ爆発。





では、「Rタイプ」、じっくり観察してみよう。




全長:「498cm」 短っ



特徴的な「バタフライ・ドア」! 観音開きドアの逆バージョン。



この開き方は、現代車じゃありえへん。



そして、「ジャックナイフ・ウインカー」。日本で言う「アポロ・ウインカー」、、



もち、作動、ウインカーレバーを回すと 飛び出して、光る。室内からでも、カシャと



飛び出し音が聞こえる。



「マーク6」では ほぼ無かったトランク容量は、理想的に広くなった。



これで、旅に行ける。



室内に目を向けると、、ドア枠の廻りも「ウッド」、パネルのウッド杢も、、うなるね



この時代は、ワイルド物だから、芸術的杢が観れる。



リアのピクニックテーブルなんて、表は、ワイルド杢のブックマッチとし、裏面は、



一点、地味杢、、わざさびの世界。




シートもドアの内張りも天張りもカーペットも張替え済みで、ドキレイ。



そうそう、入庫時、「ステアリング」にひび割れクラックが、、ここだけはレストア



していなかった、それもそのはず、当モデル、ステアリングのみを外すことができない



実は、ステアリング・シャフトごと外しの大仕事、しかも難易度高し。



で、「師匠」にお願いして、外し、その後、新品リペアした。で、新車かよっ。






走らせてみた:





と、その前に、、右シフトシャフトが、ドアをあけて乗りこもうとすると 邪魔、、



そう、本来、右H右MT車は、左のドアから乗り降りするもの。



で、ドアのロックキーは、左のドアにしかない。



とはいえ、馴れてしまえば、普通に、右から乗り込める。




このクルマは、完全、オーナードライバーズカーであるから、フロント部の天井を



凹ませて高くしている。 ハットが当たらないために。



更に、フロントにまで、「ピクニック・テーブル」がつく。






運転席に座り、シフトの位置を確認 すると、背筋を伸ばした状態で、右手を真っすぐ



降ろした位置にレバーがあることが分かる。



これが正解なポジション、真っすぐ座って、走行中は、なにごともないかのように、



右手でシフトチェンジする。 はたから観ると操作しているのが分からない、、



白鳥の足のように、、正しき高級英国車。




セルレバーをON、アクセルを2度ほどあおって、セルボタンを押す、、



キュキュキュルくらいエンジン始動、、因みに、エンジンキーは必要なし。



暖気運転大事、、が、オートチョークなんで、車が教えてくれる。



暖気が終わると、アイドリング安定。さほどの時間は要さない。





シフトは、4速、Hゲージで、分かりやすく入れやすい。



1速に入れ発進、ダブルクラッチは必要ない。



1速は、ギヤ比が低いので、早めに2速へ、スピードに乗って、3速へ、



あとは、3速と4速で遊ぶだけ。



大トルクで、クラッチ操作もイージー、まず、エンストさせるのは難しいほど簡単。




で、当然、速い。




これぞ、「サイレント・スポーツカー」



だいたい、ロールス&ベントレーが、「静か」だったのは、この「6気筒」までの話。



こんな楽しい乗り物も珍しい。




「クーラー」もあるし、オモステだけど、ハンドル軽いし、V8より、エンジン自体に



熱を持たないから、オーバーヒートなどの心配も少ない。



ありがたいのは、この時代モデルの「パーツ」は、入手が楽勝、英国の「専門店」で



なんでも入手できる。






にしても、この「6気筒」エンジンは、素晴らしい。




この「右H右MT」に慣れないと、1952年より古いRR&Bには乗れない。



戦前モデルも同じ、「右H」は「右MT」



これが世にいう「1952年の壁」



MT車が運転できない方は、これより新しいモデル=「AT」車に乗るしかない。



が、この「MT」RR&Bモデルに乗れないのは残念でしかない。楽しいよ~






総評:




この「Rタイプ」の ちょいと高性能版が「Rタイプ・コンチネンタル」



当社にも「HJマリナー」の「ファーストバック」が、1台住んでいるが、



エンジンルーム覗き込んでも、同じ風景。



「カタチ」が違うだけ。



ただ、「Rコンチ」は、軽く1億円オーバー、、



かたや、当「新車かよっRタイプ」は、ここまで費用と情熱かけて、お値段、



その10分の一ほど、、なんてラッキーな、、



仮に、今、再生新車の雄「ビーチャム」社に、フルレストア依頼したら、3千~4千万



くらいの見積のはず、、



つまり、この先、「Rタイプ・サルーン」に、当個体ほどの仕上げをする方が現れる



としたら、「Rタイプ」自体が爆発的な高額モデルになるしかない。



将来的には成りそうだけど、、そんなのまってる場合じゃない。




実に都合よき個体が ここにあるのだから、、。










では、お次の「一時預かり人」募集~!





の前に、お写真、怒涛の「180枚」を、ご参考に↓